分断した世界を読んで考える未来の世界




6月12日にシンガポールでおこなわれる初の米朝首脳会談。ここで、北朝鮮の非核化について話し合われるわけですが、もし非核を北朝鮮が約束し(難しいと思いますが)、1953年から休戦状態だった朝鮮戦争が終結を迎えられると日本はこれで北朝鮮の脅威から逃れることができてひと安心と考える人が大半でしょう。

朝鮮戦争が終結すると言うことは韓国にいるアメリカ軍の撤退を意味します。

事実、今年の4月30日、米国の外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」(Foreign Affarirs)に、韓国の文正仁統一外交安保特別補佐官は「平和協定締結後は、朝鮮半島における在韓米軍の駐留を正当化しにくくなるだろう」が、「在韓米軍の縮小や撤収について、韓国の保守野党勢力が強力に反対するだろう」と主張を掲載し物議を醸し出しています。

トランプ大統領が国防省に在韓米軍の削減を指示したとの噂もあります。

オバマ政権時代まで続いたお金のかかる世界の警察を早く辞めて、自国の財政を整えたいのがトランプ政権の考えです。

在日米軍や在韓米軍を早く辞めたいのが本当のところでしょう。

ですが、その場合中国からの脅威は誰が守ってくれるのでしょう。

アメリカに守ってもらえた平和から自分で守る平和にいまの法律で日本は切り替えることができるのでしょうか?

そう思うと、今のままが実は日本にとって良いのではないか?

そんな風にも考えてしまいます。

分断した世界を読んで

4月末に発売された高城剛著の「分断した世界」を読みました。

高城氏本人がいままで出版した書籍のなかで、もっとも大きなテーマに取り組み、前編後編にわたる大作と言っています。

その前編がこの「分断した世界」

1年間に世界を何周も旅し、仕事をする高城氏が東西の「壁」が壊れ、世界がひとつになった1989年から、英国がEUを離脱予定の2019年までを、独自の視点で描いた一冊です。

ベルリンの壁が崩壊し、ソ連が崩壊した時、私は中学生でした。

当時それがどれほど凄い意味なのかよく分からなかったのですが、大人になるにつれてその重要性とグローバリゼーションの流れを思いっきり受ける世代になっていました。

日本はむしろあの時期から転げ落ちてまだ止まりません・・・

さらにインターネットの出現によって世界の情報に簡単にアクセスできるようになりました。

そしてLCCの登場で世界へのアクセスも容易になっていきこのままどんどんと繋がっていくかと誰もが思っていました。

そのような中、2008年リーマン・ショックが起きます。

あれから10年

世界は繋がるどころか「壁」を作り始めます。

  • 2016年 イギリスのEU離脱(ブレグジット)
  • 2017年 トランプ米大統領就任(移民対策としてメキシコに壁を作ることを公言)、スペイン、カタルーニャ独立騒動
  • 2018年 アメリカ、アルミ・鉄鋼に関税(ブロック経済)、イタリア政局不安(EU離脱疑惑)、EU、GDPR(インターネットの壁)導入 などなど

ここ3年間で世界は分断の一途をたどっています。

この「分断された世界」はなぜ世界は分断する方向に進むことになったのかを、世界を旅し取材した著者が日本からでは分からない生の情報を教えてくれます。

全てたまたま起こっているのではありません。それぞれの国でこの30年間で変化し、そしてその歪みが現れてきたのです。

この本は分断化する世界の理由をときあかすとともに、今年の秋に発売する後編で分断から再び繋がる30年後の未来の話に繋げていきます。

まとめ

世界で起きている変化をわかりやすく教えてくれるこの本は今読むべき本だと思います。

そして読み終わった後に考えるのは、このような中、日本は、私たちはどうなるのだろう?と言う事です。

果たして日本の歪みはいつ頃あらわれるのか?

以前、高城氏は2018年の後半あたりから「普通のおばちゃんたちにも、はっきりと『ああ、日本経済はこのあたりが寿命だな』って感じると思う」と言っていました。

今年の秋口から日本が混迷を始める前にヒントを探すためにも今読むことをオススメします。

                     




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