「革命のファンファーレ」を読んで




ここ半年ぐらいラジオを聴いているとよく聞く番組(イノベーションワールド、空想メディア、スカロケ)にちょこちょこゲストで登場していた芸人(お笑いはつかない)西野亮廣氏。
彼が一部から嫌われていたのは知っていたが(アメトークの好感度低い芸人)、ラジオでの彼のトークというか現在行っていることや考え方が非常に面白く、非常に興味を持っていたところ幻冬社で電子書籍がセールをしていたのでこれを機に「革命のファンファーレ」ポチッと購入。
ラジオで話していた内容もちらほら出てきましたが面白くすぐに読めました。

ラジオでの西野氏の印象

ラジオでの西野氏の個人的な人物像は、彼はどんな物事や困難な条件もプラスに置き換え、提案できる能力が非常に高く感じました。

また彼の目標である「ウォルトディズニーを倒す!」と言うのも、普通に考えればばかげていますが彼は真剣にディスニーを分析しディズニーのストロングポイント、ウィークポイントを調べ上げています。

個人的には西野氏のすごいところはココにあると思っていて本でもいろいろ書かれてはいるのですが、ディズニーだけでなく物事の成功や失敗のなぜを考え、仮説をたて、それをすぐさま検証し、かつ新しくバージョンアップさせるという一連の流れを彼は常に行います。

そうです!PDCA人間なのです!

 PDCAサイクル(PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)とは

事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ。 Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する。

PDCAの難しいところはDOの部分です。

個人でも企業で働いていても、Planを立ててもDoの部分で失敗のリスクや責任が伴うため諦めてしまうケースが多々あります。

そこを恐れずチャレンジするため次の展開に進み、現在、彼の周りで良い循環が起こっているのかと思いました。

そんなイメージを持ちつつこの本を読んだのですが、この本は絵本「えんとつ町のプペル」を中心とした新しい販売の戦略と現在、訪れつつあるお金に変わる価値観についての本でした。

「えんとつ町のプペル」のメガヒットはいくつもの戦略の結果

国内の絵本市場で5000部売れればヒットと言われる中、30万部を超える部数は大ヒットです。

ただ、この本を読むまではわからなかったのですが、西野氏陣営は元々「国内30万部、世界で100万部」の目標を掲げて制作していました。

そして目標を達成するべく数々の戦略、策略を用い30万部を狙って突破したのです。

その戦略こそが既存の考え方を疑い(仮説を立て)、新しい手法で取り組む(行動する)方法であの炎上さえも戦略に取り込まれています。

その戦略をいくつかあげると・・

戦略1 絵本制作を映画のように分業制にした

映画のように各プロフェッショナルが集まり、絵の部分の制作を分業制にすることで普通は一人で制作する絵の部分を分業にしクオリティの向上とともに差別化しました。

しかし、それを実現するには各スタッフにギャランティーが必要となります。(むしろそれが達成できないから絵本は一人で作るしかない)

そこで彼はクラウドファンディングを使いネットを使って一般の人からお金を集めました。

このクラウドファンディングによるお金の集め方を成功させるためには新しいお金に変わる価値観「信用」を集めることだとこの本は説明しています。

そして、戦略1を成功させるための手段であるクラウドファンディングにもいくつかの戦略を施し成功させます。

戦略2 商品がお客さんに届くまでの動線づくりを行った

作品というものは、生み出しただけでは、世の中にカウントされない。お客さんの手に届いてようやく、作品を生んだことがカウントされる。

良い作品を生むのは当たり前の話で、その先のお客さんに届くまでの動線も設計することが確実必要になると彼は書いています。

そのため、彼はいくつもの広告のように見えない、トラップを仕掛けます。

それは、

クラウドファンディングをすることで話題を集める。(ニュースになる)

アンチを煽ってさらなる大きな声にして話題にし、一般の人に知らせる宣伝にさせる。

絵本を全ページ無料でインターネットに公開する

大ヒット中の絵本『えんとつ町のプペル』を全ページ無料公開します(キンコン西野)

などなどです。

これらの方法(それ以外もあるのですが)で私たちは「えんとつ町プペル」の存在を知ることとなります。

戦略3 著作権の放棄

「えんとつ町のプペル」はなんと著作権が放棄されています。

道徳的に問題なければ自由に使うことができ、勝手にTシャツを作って販売したり、このように許可なくブログに使うこともできます。

そうすることにより、「えんとつ町のプペル」が人々に触れる接点の機会を増やしています。(このブログに載るのもいくらかの接点・・)

これにより、各地でボランティアで「えんとつの町プペル展」が開かれ、勝手にどんどんみんなが自発的に宣伝してくれるようになりました。

私自身、この戦略は絵本を使う側も使われる側もWinWinな関係性で全員が得している非常に素晴らしい方法だと思います。

戦略4 絵本を個人で1万冊購入した。

彼は出版社の部数交渉の材料として1万部、先にお客さんから予約を取り、個人で1万部、自分お絵本を購入しました。

当然、自作自演と騒がれたりニュースになったりしましたが、それも彼の策略。

これもまんまと引っかかり、無料で宣伝してくれました。

などなど、彼はいくつもの戦略を全て彼なりに考え、みんなそれにひっかかり見事30万部のメガヒットになります。

戦略家 西野亮廣

西野氏自身はこれからの時代、肩書きが無くなっていくから肩書きには意味がないと書いています。

私もそう思いますが、この本を読んであえて肩書き(職業)をつけるとしたら、彼は戦略家だと思います。

そのぐらい彼はすべてにおいて考え戦略を練り、実行し結果を出します。

しかも彼の名前、西野亮廣の「亮」という字は、父親が大の三国志好きで、「諸葛亮」からとったそうです。

諸葛亮と言えば稀代の天才軍師です。

褒めるわけではないですが正に彼は軍師のように策略張り巡らし、それに「えんとつ町のプペル」を取り巻く、支援者やファン、アンチ、メディア全てが引っかかり、知らぬ間に彼の手のひらの上で踊らされていたのです。

それは売れるために広告代理店の考える戦略とは全く違う、関わる人すべてにメリットがある新しい広報戦略です。

なぜなら、僕がこの本を紹介するのも彼の戦略の一つですから・・・

さらに調べると小説「グッドコマーシャル」も面白そうなんで、今度はそっちを読んでみます!

                     




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