2017年ももうすぐ終わり、今年もいろいろありましたと言いたいところですが、社畜のまま特に大きな変化はありませんでした。
ですが、本はたくさん読みました(150冊程度)。
その中で自分の人生に道標となったり、将来について考えたり参考になったり、また不安を覚えたりなど特に印象に残った2017年のベスト本をジャンル別に計10冊あげてみました。
未来について
今年は自動運転やGoogleの最強囲碁AI「AlphaGo」が世界最強棋士に全勝するなどAIが話題になった年でした。
そして、そのテクノロジーは私たちに素晴らしい未来を与えるものなのか、それとも人間の脅威となるものなのかと考えるようになった年でもあります。
また、日本における未来像としては超高齢化社会の深刻化があげられます。
私たちの未来は今後どうなっていくのか?今、未来に向けて私たちが出来る事はなにか?
そのような未来の話についてのビジョンを示す本をご紹介します。
人類の未来 AI、経済、民主主義 (NHK出版新書) ノーム・チョムスキー、 レイ・カーツワイルほか(著)
トランプ政権発足、EUの未来、人間とAI、来るべきシンギュラリティ、都市での生活、気候問題についてそれぞれ世界の第一人者にインタビューした内容です。
掲載内容は
2 シンギュラリティは本当に近いのか? ─レイ・カーツワイル
3 グローバリゼーションと世界経済のゆくえ ─マーティン・ウルフ
4 都市とライフスタイルのゆくえ ─ビャルケ・インゲルス
5 気候変動モデル懐疑論 ─フリーマン・ダイソン
特に人工知能の世界的権威でありロボットが人間を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)を予言したレイ・カーツワイルのインタビューは必読です。
Kindleは481円でかなり安いのでおすすめです。
9プリンシパルズ:加速する未来で勝ち残るために 伊藤 穰一 (著), ジェフ・ ハウ (著), 山形 浩生 (翻訳)
表現とコミュニケーションに利用されるデジタル技術の教育、研究を行っている世界最先端の研究所MITメディアの所長伊藤穣一氏による未来を生き抜くための「9プリンシパル(原理)」を紹介しています。
この本、結構難しい内容ですが、日本に住んでいるとわからない世界のテクノロジーの現状、中国の技術力などを知ることができます。
またこの9プリンシパルは過去にしがみついている日本の企業、特に年寄り、社畜の人たちの考え方と真逆の考え方を提示してくれます。
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること 河合雅司 (著)
2016年についに出生数が初の100万にを割れ、高齢化の問題は改善するどころかますます危機的状況になっています。
なんだかんだ言っても日本はシルバー民主主義のため、年寄りは守られ一番苦しい子育て世代は守られないのが実状です。
今後も出生率はあがる事なくこの本に書いてあることが現実的になると思います。
と言いますか既に時遅しのような気がします。
ブログでもこの件について安楽死の切り口で書きましたが、読むと明るい日本が描けない現状を知る事ができます。
働き方を考える
2017年は「人生100年時代」「働き方改革」など働き方がトピックにあがった1年でした。
そのような中、現在の働き方に疑問を持ち、将来の働き方を考える参考になった本をご紹介します。
LIFE SHIFT(ライフシフト) リンダ グラットン (著), アンドリュー スコット (著), 池村 千秋 (翻訳)
今年、ライフシフトも話題になりました。
この本の影響なのか安倍政権も看板政策として「人づくり革命」の具体策を検討する「人生100年時代構想会議」がスタートしました。http://www.kantei.go.jp/jp/singi/jinsei100nen/
なんとなく政権は一生働く事による年金支給年齢の引き上げを狙っているように思います。
100年生きるとしても残り60年この生き地獄のような社畜人生を歩みたいとは思いません。
むしろ時間より短くても死ぬとき楽しかったと後悔しない人生を歩みたいです。
この事についてもブログで書きましたがアラフォー世代は世界的に見ても過渡期です。
ここで動かないと生かされる人生がさらに長くなるだけの未来が待っている気がします。
We Work HERE 東京の新しい働き方100 ミライインスティチュート (著, 編集), 黒崎輝男 (その他)
東京にあるコワーキングスペース「みどり荘」に集まる自由な働き方をしている人たちのインタビュー集。
監修的な立ち位置の黒崎輝男氏は元イデーの創業者で表参道自由大学の創立者でもある人で現代における自由な生き方、働き方を研究・推進しています。
組織に属さず、自由に生きる人たちの新しい働き方に刺激を受ける内容です。
自由に生きる
自分のテーマでもある自由に生きる。
それは年収1000万以上で常に旅行して楽しく生きると言う事ではなく(それもありですが)、自分で仕事に責任を持ち、やらされているのではなく自分の意思でやっている。
そしてそれは時間や場所にしばられず全て決めるのは自分にある。そんな生き方です。
そんな憧れる生き方を実践している方の本を紹介します。
黒本 参 高城剛(著)
ご存知ハイパーメディアクリエイターの高城剛氏の本です。
知らない方は沢尻エリカの元旦那と言った方がわかりますでしょうか。
とにかくこの方、1年に100カ国以上世界中のありとあらゆる国を飛び回っており、そこで得た世界の最先端の情報や未来の話をQ&A形式で紹介しています。
しかもその情報がファッションやドローンなどの最先端ガジェット、観光スポットから遺伝子医療、オーガニック食品から経済や世界情勢などありとあらゆる情報の最先端が紹介されておりその博識の広さと深さに驚きます。
最新が参ですが弐も壱も面白いので是非読んでみて下さい。
ちなみにこちらKindle版のみになります。
成功論(自己啓発)
成功するにはどうすればいいか?
数限りなく毎月出版される自己啓発本や成功本の中から今年読んだタメになる本を2冊紹介します。
やり抜く力 GRIT(グリット)―人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける アンジェラ・ダックワース(著)、 神崎 朗子(翻訳)
この本も今年話題になりました。
ものごとを達成している人に共通する「やり抜く力」。その究極の能力を手に入れるためのメソッドが紹介されています。
実際、読んでみると結構、やり抜く力は誰にでも持っていると言いつつほとんどの人が難しいのではないかと思うないようですが、読む価値はあると思います。
やり抜くための方法についてはブログでも紹介していますのでそちらもご参考ください。
残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する エリック・バーカー(著)、 橘玲(監修)
なんとしても自由に生きたい!
でもどうすればいいか。どうやったら成功するのか。
私も皆さんもそれが知りたくて、たくさんの自己啓発や成功法則の本を読んだ事があるかと思います。
しかしその中には個人の実績や経験に偏っていたり、思い込みによるものだったりするもの、またはうさんくさいものがあったかと思います。
この本に書かれている自己啓発や成功法則には心理学や経済学などの結果にもとづいてその法則の証明を行っている内容です。有名な法則の証明も行っていて面白いのと同時にこの本の内容を実践すれば科学的に証明されているので他の本を読む必要がないと思います。
自己啓発本ばかり読んでいる人にはおすすめです。
その他
上記に紹介したのは未来や生き方、成功がテーマにしたものでしたが、それ以外にとても面白かったビジネス書やエッセイを紹介します。
誰がアパレルを殺すのか 杉原 淳一(著), 染原 睦美 (著)
ここ10年くらい特にリーマンショック以降、セレクトショップはPB(プライベートブランド)商品が増えつまらない店になってしまいました。製造はどれもMade in China(最近はVietnamも)なのに、そこそこの値段。そのくせユニクロと変わらないスペックで、セールになれば60%オフ。定価で買う客は馬鹿なのではないか?と思っていました。
この本を読むと、実際に消費者は私と同じ考え持っておりセレクトショップを信用していない層が増えており、売り上げは落ちていることがわかります。
しかし過去の成功体験(20年以上前)から脱却できず、変わらない、変わろうとしない実態がわかります。
そしてこの本を読むとますますセレクトショップのPB商品を定価で買う行為は、消費者を馬鹿にしているアパレル業界にだまされる馬鹿な行為だと言う事がわかります。
他人の始まり 因果の終わり ECD(著)
80年代後半、ジャパニーズヒップホップ黎明期より活動し、今も現役ラッパーECDの6年ぶり書き下ろしエッセイ。
彼の私小説的な内容(ほぼ本人のエッセイ)のデビュー作「失点in the park」がとても面白く、それから彼の音楽よりも彼のエッセイのファンになった私ですが、今回は弟の自殺、父の病気のあとに発覚する本人のがんと闘病生活と家族と死についてたんたんと書かれている。
そして、これは彼の文才だと思うのですが一気に読めてしまう良本です。
とにかく彼の経歴からしても
【20代】
劇団に参加しつつラッパーとしてメジャーデビュー
【30代】
エイベックスに所属していたのだが契約終了→アル中にて入院→舞台関係のアルバイトをしつつインディーズで音楽活動→30代後半に童貞を喪失
【40代】
貧乏暮らしの中できちゃった婚→娘誕生(その後もう1人)
【50代】
主体的にデモ活動に参加→嫁の浮気→弟の自殺→がん発覚→闘病生活して現在
という結構、厳しい人生を歩んでいます(自ら選択している部分もありますが)
その中でも自分の考えを持ち必死で生きている姿には心を揺さぶられます。
そして2017年はクイックジャパンで彼の特集が組まれたり、DOMMUNEでECDの闘病を応援するドネーション規格が組まれたりと一部話題になりました。
「失点in the park」から読むのがおすすめですが、ノンジャンルで今年の1冊をあげるとこの本になります。

ECDの闘病を応援する7時間特番にスチャダラパー、Kダブ、田我流ら出演

おすすめの曲はこの曲「Rock in my pocket」
昔はこんな感じだったのにがんで激やせしました。

ECDは2018年1月24日にお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りいたします。
まとめ
本が好きなこともあり年間結構本を読むのですが、今年は未来関連の本を特に読んだ1年になりました。この他にも話題の「君たちはどう生きるか」なども読みましたが個人的には日本人特有の考え方くさくてイマイチでした。(戦前の本でもありますし)
来年もたくさん本を読んで個人的良本を紹介できればと思います。
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