以前紹介したライフシフトの回と同様、これからの新しい時代を柔軟に生きていくためのバイブル「チーズはどこへ消えた?」を紹介します。

この本は1998年にアメリカで出版され全世界で2400万部を超えるベストセラーとなり、日本でも2000年に発売され400万部を超えている超ベストセラー本です。
17年前に発売された際、僕は読んでいなかったのですが先日、手に取ったところ非常に読みやすく、また自由に生きていくための重要な事が書いてあったので、自分自身の備忘録も含めて内容を紹介します。
まず初めに
この本の序章にこんな事が書かれています。
私たちみんなが持っているもの – 単純さと複雑さ
この物語に登場するのは、2匹のネズミ、「スニッフ」と「スカリー」と2人の小人「ヘム」と「ホー」。この2匹と2人は、私たちの中にある単純さと複雑さを象徴している。
私たちは、スニッフのようにいち早くチャンスをかぎつけることもあるし、スカリーのように、すぐさま行動を起こすこともあるし、ヘムのように、いっそうまずいことになりやしないかと怯えて、変化を認めず、変化に逆らうこともあるし、ホーのように、もっといいことがあるに違いないと、うまく変化の波に乗ろうとすることもある。
どのような行動をとろうと、私たちみんなに共通していることがある。迷路の中で、自分の道をみつけ、時代の変化の中で、望みを成就せねばならないということだ。
この序文を読むだけでこの本の内容がほとんどわかるかと思います。
この本は時代の変化に対し、自分の中にある単純さと複雑さの感情や考え方に対し、どのように対応していくべきかを教え、考えさせる本なのです。
物語の設定
先に書いていますがこの物語には2匹のネズミと2人の小人が登場し、「迷路」の中に住み、「チーズ」を求め探します。
登場キャラクター
2匹のネズミ:スニッフとスカリー
ネズミなので単純な頭脳しか持っていない。そのためチーズを探す方法も単純で非効率な方法を用います。それは試行錯誤を繰り返しながら「チーズ」を探し、通路を進み何もなかったら、引き返して今度は別の通路を探す。スニッフはよく効く鼻でチーズのある場所を嗅ぎつけようとし、スカリーはひたすら突き進み、迷いながらチーズを探します。
2人の小人:ヘムとホー
2人は過去の経験と思考による方法をとっていたが、複雑な頭脳にたより、もっと高度な方法をつくりあげた。しかしそれは強力な人間の新年と感情がものの見方を鈍らせてしまうこともあり、迷路の中で生きるのを複雑にさせた。
チーズとは私たちが人生で求めているもの
この本で表現される「チーズ」は私たちが人生で求めているものです。
それは「家庭」や「仕事」「お金」「精神的な安定」などその人にとって様々だと思います。
そして登場キャラクターの誰もがチーズを手に入れれば幸せになると思っています。
迷路とは
彼らが生活している「迷路」とはチーズを追い求める場所。つまり、会社、地域社会、家庭等の象徴です。
彼らは迷路の中で最初はチーズを求め、必死で探します。そして大量のチーズがあるチーズステーションCを見つけ出します。
そしてそこからはチーズステーションCに向かうことが日課となりました。とりわけ2人の小人は自分たちは安泰だと思い、ついには近くに引っ越し、そこで社会生活を築きます。安心の日々が長いあいだ続き、やがて2人は慢心するようになります。何かが進行していることも気づかずに・・・
変化は起きる
チーズが失くなった時の行動【ネズミの場合】
ある日、2匹がチーズステーションCに着くとチーズが失くなっていました。
しかし2匹は驚かなかった。2匹は毎日、何か前日と変わったことがないかと確認してからチーズを食べていたため、チーズが少しずつ減っていることに気づいていて、いずれチーズが失くなるだろうと覚悟していた。
そしてチーズステーションCの状況が変わったのだから、自分たちも変わることにした。
→彼らは新しいチーズを探しに迷路の中に入って行った。
チーズが失くなった時の行動【小人の場合】
同じ日に小人がチーズステーションCに着くと同様にチーズが失くなっていました。
二人は慢心していたので毎日の小さな変化に注意を払わなかったので突然の出来事のように感じます。
そして、誰かのせいにし、被害者意識を持ち、状況に目をつむり立ち止まります
→彼らは状況に反応せず事態の解明を重視したが、結局、右往左往するだけで何も行動しなかった。
彼らは変化に対応せず、動きません。それは
自分のチーズが大事であればあるほどそれにしがみつきたがる
ためです。
私たちも今までが安定している環境であれば、たとえ悪い変化が起きようと変わろうとせずその場に居続けます。まさに小人たちと一緒なのです。
変わらなければ破滅することになる
ヘムとホーはチーズステーションCで何日もあい変わらず事態を検討していたが状況は少しもよくならなかった。
ホーは居なくなったネズミたちの事を考え、彼らはもしかしたら新しいチーズを手にいれているのではないかと考えていた。
事実、ネズミたち2匹は様々な困難にぶつかりつつも、大量にチーズがあるチーズステーションNにたどり着いていた。
ホーはネズミたちが新しいチーズにありつけているのを想像するにつれ、今いる場所を離れる必要があると思います。
しかし、ヘムにその事を伝えるとすぐさま「ダメだ」と答え「ここがいいんだ。ここは居心地がいい。ここの事ならよくわかっている。ほかのところは危険だ」「今さらそんな事をする体力もないだろ」と諭されます。
そうなのです。私たちも一度惰性の毎日の中にいると一歩が踏み出す勇気もなく、ただただ変わらない毎日を過ごしてしますのです。ダメになっていくのはわかっているのに・・・
ですが、状況は良くならずむしろ悪化していきます。毎日ホーは不安になっていきます。そしてついに迷路の中にチーズを探しに出ていく決心をします。そのシーンがこちらです。
彼は想像してみた。笑みを浮かべ、思い切って迷路へ入っていく自分を。
その姿には自分でも驚いたが、気分が良かった。ときには道に迷うだろうが、最後には新しいチーズが見つかるに違いないと思った。そうなれば他にもいろいろといい事が起こるだろう。彼は勇気を奮い起こした。
この勇気が私たちが新しい時代に生きていくために必要なのです。
彼はヘムに言います。
物事は変わることがあるし、決して同じことにはならない。それが人生だ!人生は進んでいく。僕らも進んで行かなければならない!
素晴らしい人生は待っていても来ないのです。自分たちで進んで行かなければ
恐怖に打ち勝つ
ホーは迷路の中で困難に立ち向かいながら、チーズを探します。
そして、新しい事に挑戦する時に誰もが思う恐怖をホーは感じます。
先に何があるのだろう?何もないのか?それどころか、危険が待ちかまえているのではないか?ありとあらゆる恐ろしい事が頭に浮かび死ぬほど怖かった。
例えば、私たちが会社を辞めて自由に生きていけないのは、このような不安を感じ足がすくんでしまうからです。
しかし、ホーは恐怖のせいで悪い方に考えるのだと思い、恐怖がなければ進む、新しい方向に行きました。
すると、ホーは自分でも意外だったどんどん愉快な気持ちになっていった。
ホーはわかった。
恐怖を乗り越えれば楽な気持ちになる
新しい方向に踏み出したことで恐怖から解放されたのでした。
恐怖がなくなると、想像以上に楽しくなるのでした。
僕が思うにこの部分を知っている人と知らない人に大きな差がある気がします。自由に生きている人は常にチャレンジし楽しんで生きている。そうでない人はカゴの中で何かわからない恐怖を感じビクビクしながら生きている。でもその楽しさを実感するにはカゴから出る必要があるのです。
そしてもう一つホーは気づくのです。
まだ新しいチーズが見つかっていなくてもそのチーズを楽しんでいる自分を想像すればそれが実現する
ホーは心の中でチーズに囲まれるのをイメージしましたが、私たちも自由に生きるにはその自由に生きる自分を想像する必要があります。
時間と金に縛られず旅行している自分
好きなものに囲まれている自分
好きな女性と遊んでいる自分など
そのイメージを強く細部まで持つと楽しくなり恐怖に打ち勝てるのです。
ただ自由になりたいだけではダメなのです。
自由に生きるとは自分にとってどういう状態かという事をしっかり考えイメージする事が重要なのです。
自分の心がつくりあげている恐怖
ホーはチーズステーションCを飛び出してあらためて思いました。
人が恐れている事態は、実際は想像するほど悪くないのだ。自分の心の中につくりあげている恐怖のほうが、現実よりずっとひどいのだ。
以前は変化を間違っていると思っていたがいまは常に変化が起きるのは自然なことだとわかった。
そして、彼は新しい考え方が新しい行動にかりたててくれたことがわかった。彼の行動はあのチーズのないステーションに通っていた時とは違っていた。
人は考えを変えると、行動が変わるのだ
今は冒険を楽しむ自分がいる事に気付いたのだった。
過去を捨て去り現在に適応していた。
あの角を曲がればチーズが見つかるかもしれないとワクワクできる自分になっていた。
そしてついにホーはチーズステーションNに辿りつき大量のチーズを手に入れたのだった。
変化を楽しもう!
以前はチーズが失くなるなんて間違っている、変化は間違っているとホーは思っていた。しかし今は予期しようがしまいが変化が起きることは自然なことだとわかった。
そして変化を受け入れ、対応すること。そしておそらく最も大事なことは、
つねに新しいチーズがどこかにあるということだ。その時点ではそう思えなくても。そして、恐怖を乗り越え、冒険を楽しむなら、報いはあるということだ。
「恐怖を乗り越え、冒険を楽しむ」
そうです。ぬるま湯で生きて挑戦しない人生でいいのでしょうか?一度きりの人生と言いますがあと何十年もこんな人生でいいはずがありません。自分が変わらなければいけないのです。
この「チーズはどこに消えたは?」は常に状況は変化していく事を当然とし、その変化に自分自身で立ち向かい生きていく重要性を教えてくれるのです。
まとめ
自分が小さかった頃はまだ日本が元気でこのまま続くと思っていました。そしてバブルが弾け30年近く。状況はどんどん悪くなっている。給料も上がらず、遅くまで働く毎日。しかし動かない自分。
でも気付いてんですよね。僕もみんなもこのままじゃまずいって。だからこそ、この本のように一歩踏み出さなければいけないのです。それも希望を持った未来が自分に訪れると信じて。
しかし、そこが信じられないというのがこの日本でずっと生きている人たちの悩みです。
だけど今日から毎日楽しい未来をイメージしましょう。信じようが信じまいが何もしないのが一番いけないのですから。
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